不老不死の“オキナガ”と人間が共存する現代日本が舞台の、異色のミステリー「白暮のクロニクル」。
ー 「白暮のクロニクル」ってどんな話?
ー 実写化されたけど、原作との違いはある?
ー ネタバレやラストはどうなってるの?
そんな疑問を持っている方に向けて、本記事では「白暮のクロニクル」の基本あらすじから最終回ネタバレ、実写化ドラマの配信情報&キャスト情報まで、まるっと徹底解説します。
気になる実写化ドラマの評価についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
白暮のクロニクルあらすじ|まずはネタバレなしの基本情報
物語の舞台は、私たちが暮らす現代の日本。
ですが、この世界には少し違う点があります。それは、不老不死の吸血種族「オキナガ(息長)」が、私たちのすぐ隣で静かに暮らしていることです。
不老不死「オキナガ」と人間のミステリー
「長命者」とも呼ばれるオキナガは、厚生労働省の管理下にあります。差別対象になりやすいため、保護の対象なのです。
厚生労働省の新米職員・伏木あかりは、オキナガを専門に担当する「夜間衛生管理課」へ配属されます。
そこで伏木あかりが出会ったのが、見た目は18歳ほどの雪村魁(ゆきむらかい)でした。しかし、雪村魁の実年齢はなんと88歳。オキナガだったのです。
雪村魁は、自身の辛い過去と深く関わる連続殺人鬼「羊殺し」を長年追い続けていました。伏木あかりは、雪村魁の相棒として、オキナガが関わる様々な事件の謎を追ううちに、この世界の真実と、切ない人間模様に触れていくことになります。
主人公・雪村魁(ゆきむらかい)はどんな人物?
雪村魁は本作の主人公の一人です。
私設図書館「按察使(あぜち)文庫」に住んでいる雪村魁。厚生労働省の外部協力者として「オキナガ案件」と呼ばれる事件の捜査に協力しています。
その頭脳は明晰で不遜な態度を取ることがありますが、事件の真相を鋭く見抜きます。携帯の捜査が苦手という、老人らしい一面も持っています。
もう一人の主人公・伏木あかり(ふせぎ あかり)との関係は?
伏木あかりは、厚生労働省に入省したばかりの新人職員です。
長身で正義感が強く、お人好しな性格の持ち主です。ひょんなことから夜間衛生管理課に配属され、オキナガである雪村魁のパートナー、いわばワトソン役として事件解決に挑むことになります。
最初は雪村魁の態度に反発することもありますが、行動を共にするうちに、二人の間には強い信頼関係が芽生えていきます。
物語の最大の謎「羊殺し」とは何か?
「羊殺し」は、物語全体を貫く最大の謎です。
12年に一度、ひつじ年のクリスマスが近づくたびに現れ、若い女性を殺害して内臓を抜き取っていくという凶悪な犯行を繰り返します。
70年以上にわたって犯行が続いているため、犯人はオキナガである可能性が高いと見られています。
実は、雪村魁の想い人であった長尾棗(ながおなつめ)は、1955年に死亡。この「羊殺し」の最初の犠牲者でした。雪村魁が犯人を追う執念の源泉となっています。
【完全ネタバレ】白暮のクロニクルの最終回徹底解説
さて、ここからは物語の核心、結末に大きく関わるネタバレを含みます。まだ知りたくない、という方は、この先を読む前にもう一度考えてみてくださいね。
物語の最大の謎である「羊殺し」の正体や、衝撃の結末について詳しく解説します。
連続殺人鬼「羊殺し」の衝撃的な正体は誰?
70年以上にわたって雪村魁を苦しめてきた「羊殺し」。
その正体は、桔梗凪人(ききょうなぎと)という人物でした。
セーラー服が似合う妖艶な美少年といった見た目ですが、その正体はなんと500年以上も生きるオキナガ。応仁の乱の頃に生まれたそうです。
桔梗凪人は本名を、山階茜丸(やましなあかねまる)といいます。
山階茜丸は、猟奇殺人者。男の姿で女をかどわかし、女の姿で男をたぶらかす男です。
生まれながらに殺人に快楽を覚える、まさに「悪」そのもの。これまでの犯行も、山階茜丸にとってはただの遊びに過ぎなかったというのですから、本当に恐ろしいですよね。
「羊殺し」はもう1人いる!悲しい動機を解説
山階茜丸には、雪村魁側の事情がすべて伝わっていました。
そのため、「羊殺し」には内通者がいることがわかります。
もう1人の「羊殺し」は誰なのか?
それは、幼い頃に母親・伊集幸絵を目の前で惨殺された、伊集市哉という少年です。
「坊や」と呼ばれていた伊集市哉。彼が「羊殺し」をした背景には、あまりにも悲しい物語がありました。
実は、母の亡骸を前にした伊集市哉に、山階茜丸は「新鮮な内臓を捧げれば、きっと目を覚ます」と、悪魔のような嘘を吹き込みました。
純粋な伊集市哉は、その言葉を信じてしまい、母を蘇らせるために「羊殺し」の犯行に加担していくことになるのです。
物語の最大のどんでん返し!共犯者の正体は?
そして、この物語には最大のどんでん返しが用意されています。
「羊殺し」のもう一人の犯人。母を蘇らせたいと願った少年、伊集市哉の正体です。
伊集市哉は戦後の混乱期を生き抜き、「実藤寿一郎(さねとうじゅいちろう)」という別の名前で新しい人生を歩み始めます。
「実藤」と言えば…驚くべきことに、按察使文庫の執事の名前です。「羊殺し」は、雪村魁たちのすぐ側で、60年もの歳月を過ごしていたのですね。
いつも穏やかで忠実だったあの実藤寿一郎が、まさか「羊殺し」の共犯者だったなんて!本当に衝撃的な真実ではないでしょうか。
物語はどのように終わる?感動のラストシーンを解説
物語のラストは、数十年後の未来が描かれます。
すっかり年老いて車椅子に乗る伏木あかりのもとに、18歳の姿のままの雪村魁が見舞いに訪れます。実は、これはドラマの冒頭シーンでもあります。
湖畔で語り合う老婆と若者が、奇妙な組み合わせに見えます。
「約束どおりに、おまえを看取って、その後のことは改めて考えるよ。」と、雪村魁。
永遠に変わらない者と、儚く変わっていく者。その対比がとても美しく、そして切ないのです。
その後、遠くから伏木あかりの家族の姿を見つめる雪村魁の眼差しと、エンディングの音楽が、グッと来る美しいラストシーンでした。
物語の鍵を握る主要登場人物と実写版キャスト一覧
『白暮のクロニクル』の魅力は、登場人物一人ひとりがとても人間味にあふれているところにもありますよね。ここでは、物語の鍵を握る人々と、実写ドラマ版の素敵なキャストの方々を一緒にご紹介します。
- 雪村魁(ゆきむら かい)演:神山智洋(WEST.)
88歳のオキナガ。普段はぶっきらぼうですが、根は優しい人物。ドラマでの神山智洋さんの、ミステリアスな雰囲気と儚さを両立させた演技は素晴らしかったです。 - 伏木あかり(ふせぎ あかり)
演:松井愛莉
まっすぐで心優しい厚労省の職員。実は、雪村魁の想い人だった長尾棗の孫だったという、運命的な繋がりを持っています。松井愛莉さんの持つ、明るく健やかな雰囲気が役にぴったりでした。 - 竹之内唯一(たけのうち ただひと)
演:竹財輝之助
1600年を生きる、規格外のオキナガ。厚労省の参事として、常に敬語で穏やかな物腰ですが、その内には熱い正義感を秘めています。竹財輝之助さんの知的でミステリアスな佇まいが、長年生きているオキナガのリアリティを増しています。 - 按察使薫子(あぜち かおるこ)
演:伊藤歩
150歳のオキナガで、按察使文庫のオーナー。天真爛漫で、可愛らしい存在です。伊藤歩さんの華やかさが役に合っていました。 - 実藤寿一郎(さねとう じゅいちろう)
演:大林隆介
按察使文庫の忠実な執事。その正体は「羊殺し」の共犯者・伊集市哉。壮絶な人生を歩んだ実藤というキャラクターを、大林隆介さんが演じています。ベテランならではの重厚な演技が、このキャラクターの悲哀を際立たせていました。 - 久保園幹也(くぼぞの みきや)
演:光石研
伏木あかりの上司。普段は飄々としていますが、部下思いで非常に有能な人物。名バイプレーヤー・光石研さんが演じると、キャラクターの魅力が何倍にもなりますよね。
実写ドラマ版『白暮のクロニクル』情報まとめ
漫画の実写化と言うと、期待と不安が入り混じるものですが、このドラマの評価は概ね良好だったようです。
ここでは、実写化ドラマについての色々な情報をお届けします。
ドラマはどこで見れる?現在の配信状況(WOWOWなど)
実写化ドラマ『白暮のクロニクル』は、WOWOWの「連続ドラマW-30」という放送枠で放送されました。
2025年6月現在は、WOWOWの公式動画配信サービス「WOWOWオンデマンド」で、全話をいつでも観ることができます。
オンデマンドは、好きな時に一気見できるのが嬉しいですね。
主演・神山智洋さん(WEST.)の演技の評判は?
主人公・雪村魁を演じた神山智洋さん(WEST.)の演技は、各方面から高い評価を受けました。
共演の竹材輝之助さんも絶賛!
特に、今回演じた雪村魁というキャラクターは、ゲキムズの役柄です。
見た目は金髪の若者。そこに、長い時を生きた者の独特の雰囲気や、心の奥に秘めた悲しみを込める。一方で、あかりとのコミカルなやりとり、とかなり複雑な演技だったはずです。
今後はアイドル活動と並行して、俳優としての活躍が期待されますね。
原作漫画との違いはあった?ドラマの評価を解説
ドラマ版は、全12話という枠の中で、原作漫画(ゆうきまさみ作)の長い物語を再構成しています。
なので、原作のように、細やかな伏線や、登場人物たちの心の動き、ユーモアあふれる日常のやり取りなどを再現するのは難しかったようです。第1話から、かなりのスピードで、一気に駆け抜けたような印象でした。
ただ、ストーリーの大筋は原作にとても忠実で、主要キャラクターの初登場シーンなど、ファンが大切にしているシーンはしっかり描かれていました。
制作陣は、原作を大事にしていて、セットやロケ地についても、原作の世界観に忠実に作り上げたそうです。素晴らしいですね。
原作の持つ切ない空気感を保ちつつ、上質なサスペンスドラマに仕上がっていたのではないでしょうか。
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