コナンが引用したシャーロック・ホームズの名言ランキング|英語原文&元ネタ解説あり!

名探偵コナンの主人公工藤新一は、幼い頃からミステリーを読み漁っていて、特にシャーロック・ホームズを敬愛しています。

本記事は、「名探偵コナン」シリーズで、コナン・新一が引用したシャーロック・ホームズの名言をランキングでご紹介します!

  •  英語原文つき
  •  そのセリフがコナン・ドイルの原作のどのような場面で登場したのか
  •  コナンや新一がどのような場面で引用したのか(アニメ)

を詳しく解説していきますので、シャーロック・ホームズと工藤新一という2人の名探偵の精神的なつながりをぜひ感じてください!

コナンが引用したシャーロック・ホームズ の名言ランキング|TOP3

ここでは、コナンが引用したホームズの名言をランキング形式でご紹介します。「名探偵コナン」でコナンが実際に名言を引用した場面も解説しますので、ぜひ復習してみてくださいね。

第1位 不可能なものをすべて除外⋯

第1位は、

不可能なものをすべて除外したとき、残ったものがいかにあり得そうもなくても、それが真実である

です。何度もコナンのアニメで引用されているので、記憶している人が多いと思います。

  •  原作出典:「4つの署名(The Sign of Four)」
  •  名探偵コナンでの引用例:アニメ名探偵コナン第223話「そして人魚はいなくなった」

【場面解説】

「そして人魚はいなくなった」は、離島の神事に絡んだ大掛かりな殺人事件のエピソードです。 第223話の「推理編」で、コナンは服部平次に自分の推理を披露します。それに対して、平次は、「あほー、そんなわけあるかい!おれは絶対信じひんぞ」と驚きます。そのとき、コナンがこのシャーロック・ホームズの名言を言うのです。

コナンが、シャーロック・ホームズと同様に、主観を排除し論理と証拠にだけ頼って、答えを導き出していることがわかる名シーンです。

第2位 君を確実に破滅させることが⋯

第2位は、

君を確実に破滅させることができれば、公共の利益のために、僕は喜んで死を受け入れよう

です。

  •  原作出典:「最後の事件(The Final Problem)」
  •  名探偵コナンでの引用例:劇場版名探偵コナン『ベイカー街の亡霊』(映画)

【場面解説】

劇場版「ベイカー街の亡霊」で、毛利蘭の回想シーンとして出てきます。遊園地デートで新一が蘭に、自身の好きなホームズの言葉として紹介したのですが、蘭ははっきりと思い出せません。

ゲームの中で列車の屋根にとらえられた蘭は、絶体絶命の状況下で、新一の言った言葉をついに思い出します。それが、「君を確実に破滅させることができれば、公共の利益のために、僕は喜んで死を受け入れよう」だったのです。

そして「ライヘンバッハの滝よ、コナンくん!」と叫んで、蘭はジャック・ザ・リッパーとともに谷底へ落ちていきます。蘭が正義のために自己犠牲を捧げたシーンでした。

第3位 初歩的なことだよ

第3位は、

初歩的なことだよ

です。「初歩的なことだよ、ワトソン君」で覚えている人もいると思いますが、「ワトソン君」というのは、原作のセリフではなくシャーロック・ホームズの舞台で使われたセリフです。

原作出典:「曲がった男(The Adventure of the Crooked Man)」

コナンでの引用例:アニメ第2話の「社長令嬢誘拐事件」

【場面解説】

名探偵コナンの第2話なので、新一がクスリで幼児化してはじめて阿笠博士に会う場面です。「俺が新一なんだよ!」と言っても、阿笠博士は当然信じません。

自分が新一だと信じてもらうために、阿笠博士の個人情報を披露したり、今日の行動を推理して見せるコナン。すると、阿笠博士が驚いて、「き、君は・・・」と言います。

そこで、コナンが、「チッチッチ、初歩的なことだよ、阿笠くん」と言ってみせます。

この場面では、コナンの背後に新一の姿がオーバーラップしているので、おそらく高校生の新一もシャーロック・ホームズのセリフをよく使っているのだと思います。

 

コナンが引用したシャーロック・ホームズの名言|元ネタ登場シーン

コナンが引用した名言の、元ネタの場面を解説します。シャーロック・ホームズがどのような場面でこのセリフを言ったのか、ぜひチェックしてみてください。

原作出典:「4つの署名」

ランキング第1位の、「不可能なものをすべて除外したとき、残ったものがいかにあり得そうもなくても、それが真実である」の元ネタは、「4つの署名」です。

原作での場面解説:「4つの署名」は、インドを舞台にした過去の因縁が動機となっている殺人事件で、シャーロック・ホームズシリーズでも有名なエピソードです。

シャーロック・ホームズは、このエピソードで、捜査中に、数の可能性を検討していくなか、非常に奇抜な犯人像にたどり着きます。すると、ワトソンが、「まさか、そんなことが⋯」と驚くのに対して、シャーロック・ホームズが返した名言です。

コナンが「そして人魚はいなくなった」でこのセリフを使ったときと、状況はほぼ同じですね!

原作出典:「最後の事件」

ランキング第2位の、「君を確実に破滅させることができれば、公共の利益のために、僕は喜んで死を受け入れよう」の元ネタは、「最後の事件」です。

原作での場面解説:
このセリフは、シャーロック・ホームズがモリアーティ教授に対して言ったものです。

モリアーティは、ロンドンの犯罪界に深く関わっており、彼を排除することが公共の利益になるとシャーロック・ホームズは考えていました。邪魔をするなと脅してきたモリアーティに対し、正義のためには自己犠牲を厭わないと、シャーロック・ホームズが対決を宣言したのです。

原作出典:「曲がった男」

ランキング第3位「初歩的なことだよ」の元ネタは、「曲がった男」です。

原作での場面解説:

原作では、ワトソンがホームズの推理に「素晴らしい!」と驚嘆した後、ホームズがさらっと返す一言です。

ただ、グラナダテレビのドラマの第5話「曲がった男」では、ワトソン博士が「初歩的なことだよ、ホームズ君」と発言しています。これは、「初歩的なことだよ」というホームズのセリフをワトソンがユーモアを込めて言うという演出で、視聴者をくすっと笑わせるシーンになっています。

 

なぜコナンはホームズの名言を引用するの?

名探偵コナンの主人公・工藤新一(=江戸川コナン)にとって、シャーロック・ホームズは、強く憧れる存在。

シャーロック・ホームズの名言には、”探偵とはどうあるべきか””捜査とはどうするべきか”のヒントが詰まっています。

例えば、「不可能なものをすべて除外したとき、残ったものがいかにあり得そうもなくても、それが真実である」は、論理や証拠のみによって真実にたどり着くべきであって、その過程に主観や先入観を介入させないという姿勢が表れています。

新一は、幼稚園の頃からミステリーを熟読しているので、単にうわべの理解ではなく、シャーロック・ホームズの哲学や信念を深く熟知していて、それらを実際に自分が探偵として活動するにあたって体現しているのです。

 

英語原文で読むシャーロック・ホームズの

シャーロック・ホームズはイギリスの名探偵なので、原作は英語で書かれています。

ここでは、コナンが引用したシャーロック・ホームズの名言を英語の原文でご紹介します。

英語原文で名言:不可能なものをすべて除外したとき⋯

英語原文:When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth.

原文解説:この英語はわかりやすいですね。the impossible=不可能なものをeliminate=除外し終えたあと、whatever remains=残ったものが何であれ、however improbable=どれほどありえないものでも、それが真実だ。

普通人は、感情や経験が先に来るので、「あの人が犯人なんてあり得ない」「そんな方法はできないはずだ」と、無意識に真実をねじまげてしまいます。

そういったものをすべて排除せよ、科学的・論理的に不可能なものを除外する作業を淡々とやり、残ったものを検討せよ、というシャーロック・ホームズの捜査哲学です。

英語原文で名言:君を確実に破滅させることが⋯

英語原文:モリアーティの”If you are clever enough to bring destruction upon me, rest assured that I shall do as much to you.を受けて、

”You have paid me several compliments, Mr. Moriarty,””Let me pay you one in return when I say that if I were assured of the former eventuality I would, in the interests of the public, cheerfully accept the latter.”

原文解説:こちらの名言は、少し言い回しがわかりづらい原文となっています。

まず、モリアーティが、次のように言います。

「もし君が私を滅ぼすほど賢いのならば、私も同じことをするだろう」

自分の犯罪を邪魔するシャーロック・ホームズに忠告をしているのです。これを受けて、シャーロック・ホームズは、褒め言葉に礼を述べて、「former eventuality=前者の結果=モリアーティの破滅」が確実なら、「latter=後者=自分の破滅、死」を喜んで受け入れると返答しているのです。

さらに、モリアーティは、

“I can promise you the one, but not the other”

と返答しています。これは、モリアーティの破滅とシャーロック・ホームズの破滅、そのうちシャーロック・ホームズの破滅は約束できるけれど、もう1つのほうは約束できないという意味です。

バチバチの緊迫感あふれる会話だということがわかりますね。

英語原文で名言:初歩的なことだよ

英語原文:Elementary.

原文解説:端的でシャーロック・ホームズらしいセリフです。

Elementaryは、初歩の、という意味です。Elementary Schoolで覚えている人も多いと思います。

すなわち、ニュアンスとしては、「実に簡単なことだよ。言うまでもない」みたいな感じです。

原作では”Elementary.”だけです。ただ、今では、”Elementary, my dear Watson.”のほうが有名です。これは、シャーロック・ホームズを初めて舞台で演じた俳優ウィリアム・ジレットのセリフです。

また、「エレメンタリーホームズ&ワトソンinNY」というアメリカのドラマがあります。このドラマは2012年から2019年まで全7シーズン放送され、大ヒットしました。このドラマタイトルは明らかにシャーロック・ホームズのこの名言からつけられていますね。

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