Netflixドラマ「ザ・ストレンジャー」は、2020年に制作された全8話のミステリードラマです。
息もつかせぬ展開で、最後の最後まで謎だらけ。ミステリー好き必見のイチオシドラマです。
この記事では、Netflixドラマ「ザ・ストレンジャー」の感想とあらすじ(ネタバレはほんの少しです)をお届けします。また、キャスト情報、特にウェズリー・ロス刑事役のカディフ・カーワンの情報をご紹介します。
Netflixドラマ「ザ・ストレンジャー」|感想
イッキ見必至!時間と体力のあるときに見よう
Netflixドラマ「ザ・ストレンジャー」を見ました!面白かったです!!
夜中に見始めたのに、止められず⋯4話イッキ見しました。さすがに翌日があるので、8話イッキ見は断念。そして、翌日に残りの4話をイッキ見するという、社会不適合な動きをしてしまいました(笑)
これから見る予定の方には、時間と体力があるときに見始めることをおすすめします。
このドラマをイッキ見してしまう理由は、登場人物の全員が”ただでは済まない”状態にどんどん陥っていくからです。平和な家族・町だったはずなのに⋯何?何が起きてるの?と、好奇心をくすぐられて、「次のエピソード」を押す手が止まらなってしまうのです。
秘密がほじくり返される怖さにゾクゾク(ネタバレ少しだけ)
このドラマの面白さは、秘密がほじくり返される怖さです。
誰しも”秘密”ってありますよね。大なり小なり。
私も、かなりあります。私の場合、恥ずかしいものがたくさん⋯
それをほじくり出されていく恐怖が、このドラマでは次々と襲いかかってきます。
ドラマの最初にほじくり返される秘密が、特に怖いんです。(ちょっとだけネタバレです)
何年か前に流産した妻。その、妊娠自体が偽装だった。もちろん、流産も嘘。陽性の妊娠検査薬やエコー写真、お腹に乗せるシリコンまで買って、偽装していたのです。妊娠を偽装するという発想も怖いし、そのためのグッズが売っていることも怖い怖い!
鳥肌ものです。
しかも、ザ・ストレンジャーの舞台は、かなり小さな町です。
自宅も、職場も、子どものサッカーチームも一緒だったりします。
そんな狭いコミュニティでの秘密は、さらに恐ろしい!
でも、全員が必ず秘密を持っています。恥ずかしい過去。
ドラマの癒やしは、刑事のウェズリー・ロス刑事
刑事のジョアンナの相棒の若い刑事ウェズリーが、このドラマの唯一の癒やしです。ジョアンナからは、「青二才」と呼ばれています。英語のセリフでは、”Infant”。赤ちゃんですね。
ちょっとおまぬけでおふざけのウェズリーは、操作中もいつもくだらないことを言っています。
変なことと、すごく変なこと、どっちから聞きます?
と上司のジョアンナに言って、”変なこと”のほうはちゃんと捜査の話なんですが、”すごく変なこと”は、
昼にハムサンドを食べたのに、指が魚くさいんですー!
ジョアンナは思いっきり白けて無視(笑)とにかくウェズはいつもふざけてて、たまらない。面白すぎるのです。
ウェズ役のキャスト情報は、後ほど詳しくご紹介します。
映像美と恐怖がコントラストをなしている
登場人物たちの住まいが、とても美しいです。建物も、庭も、インテリアも。
子どもたちも可愛いし、主人公の車もかっこいい。子どもたちの持ち物などを見ると、みなとても裕福。
妻を探して移動した駅の近く、次男が橋で携帯をみつけるあたりの景色も、息を飲むほど美しいです。
この圧倒的な映像美が、むしろ恐怖を際立たせているのです。それぞれが抱える秘密や、見知らぬ人に秘密を暴かれる恐ろしさが、美しく見える生活の中に潜んでいるという演出が際立った作品です。
ドラマのあらすじ(ネタバレ少しだけ)
アダム・プライスは弁護士。かわいい息子2人と、教師をしている妻と、素敵な家で暮らしています。絵に描いたような幸せ家族です。
アダムは息子のサッカーチームの集まりで、突然見知らぬ若い女性に声をかけられます。その見知らぬ女性は、衝撃的なことを言い出します。それはアダムの私生活の、誰も知らないような秘密に関することでした。
見知らぬ人に自分や家族の秘密を突然言われるという展開なので、ドラマのタイトルが「ザ・ストレンジャー」となっているのです。
アダムは動揺し、聞かされたことを妻のコリンヌにぶつけます。
すると、コリンヌはすべてを説明することなく、失踪してしまうのです。
見知らぬ若い女性(ザ・ストレンジャー)は、アダム以外の人々にも次々と近づいて秘密を暴いていきます。
彼女の目的は?
それぞれが抱えている秘密とは?
妻はなぜ失踪したのか?
息をつく間もないほどにミステリーが重なっていき、謎は深まるばかり。
一気見する以外に選択肢はなさそうです⋯
Netflixドラマ「ザ・ストレンジャー」キャスト|カディフ・カーワン
今回は、「ザ・ストレンジャー」で刑事のウェブ役を演じたキャスト、カディフ・カーワンについて深堀りしたいと思います。
ウェズ役が最高!
ウェズ役、と言ってもあまりピンと来ないかもしれません。警察でジョアンナとペアを組んでいる「青二才」ことウェズリー・ロス刑事のことです。
全体として重苦しい雰囲気のザ・ストレンジャーで、圧倒的な癒やしの存在だったのがウェズ。お調子者で明るいウェズですが、捜査の過程で決めるところは決めてくれます。
ウェズ役を演じたのはカディフ・カーワンです。
このドラマですっかり私のイチオシ俳優となったカディフ・カーワンは、1989年2月生まれのイギリス人俳優です。テレビドラマを中心に活躍しています。
火山の噴火に遭ったカディフ
カディフは、もとはカリブ海にあるイギリス領のモントセラト島という小さな島の出身でした。カディフが住んでいたのは、モントセラトの首都プリマス。人口4000人ほどの街だったそうです。
モントセラト島にはスーフリエール・ヒルズという火山があり、この火山が1995年から噴火を始めました。その後1997年までに、プリマスの約80%が火砕流などで破壊されてしまい、街は完全に人が住めない場所になりました。プリマスは1997年以来、世界中でも例を見ない、政治的領土の首都として唯一のゴーストタウンだそうです。
1995年当時小学生だったカディフの家も、噴火で破壊されました。叔母が2人火砕流で亡くなり、一家は別の島への移住を余儀なくされました。その後イギリス本土へ移住したカディフは、演劇と出会うことになります。なんて数奇な運命的でしょうか。
ゲイのカディフが演劇と出会う
カディフはゲイなのですが、このアイデンティティが演技者となることに大きな影響を与えていたと語っています。
私は学校の成績が悪かった。本当にひどかったんです。9年生の頃からずっと演劇の先生に付きまとわれ、放課後に演劇の授業に行けば行動の問題は落ち着くと言われました。先生がしつこく勧めてきたので、結局行きました。突然、すべてが腑に落ち始めたんです。私は自分がゲイであることに悩んでいて、とても信心深い同級生や家族には話せなかったために演技をしていたのだと。当時は辛い時期でしたが、演技が私を救ってくれました。演技が私に声を与えてくれたのです。
カディフの移住先、イギリス本土のプレストンという町の学校には、黒人はカディフ1人しかいなかったそうです。英国領からの引っ越しなので英語は話せたとはいえ、カリブ海の島からの環境変化はすさまじいものですよね。この演劇の先生は、孤立しそうになるカディフに居場所を与えたかったのではないでしょうか。なんて素晴らしい先生!(涙)
カディフも、ゲイであることを周りに言えずに、ずっと違う自分を演じてきたのですね。そのことに気づき、演技に自分の生きる道を見出したということです。
カリブ海の小さな島にいた男の子が、世界に配信される映画やテレビドラマのスターになるとは、カディフの人生こそがドラマのようです!
これからもカディフの活躍を見守りたいと思います!
Netflixドラマ「ザ・ストレンジャー」|主要キャスト
リチャード・アーミティッジ(アダム・プライス役)
主人公のアダム・プライスを演じているのはリチャード・アーミティッジです。1971年8月生まれのイギリス人俳優。189cmの長身とビー玉のような真っ青な瞳が特徴的です。リチャードは、バリトンボイスを生かして、テレビ番組の声優としても活躍しています。
「ザ・ストレンジャー」では、最終話で犯人と対峙したときの演技が圧巻でした。
プライベートでは、2023年に男性パートナーがいることを明らかにしています。
シヴォーン・フィネラン(ジョアンナ・グリフィン刑事役)
ジョアンナ・グリフィン刑事を演じているのは、シヴォーン・フィネランです。
1966年4月生まれのイギリス人俳優。Siobhanと書いて”シヴォーン”と読むのは、アイルランド系の名前ですね。
シヴォーンは、多くのテレビドラマに出演していて、見覚えがある人も多いかと思います。「ダウントン・アビー」のメイド役が有名ですね。
ポール・ケイ(パトリック・カッツ刑事役)
パトリック・カッツ刑事を演じているのは、ポール・ケイです。
1964年12月生まれのイギリス人俳優・コメディアンです。
ゲーム・オブ・スローンズのミアのソロス役がわかる人は、「あっ!」と思ったはずです。Netflixドラマ「ザ・ストレンジャー」のカッツ役は全く違う雰囲気ですが、鬼気迫る圧倒的な迫力でドラマの重要キャラクターを演じています。後半のカッツ刑事はなかなか切羽詰まってて見ものです!
ハナ・ジョン=カーメン(ザ・ストレンジャー役)
ザ・ストレンジャーを演じているのは、ハナ・ジョン=カーメンです。
1989年9月生まれのイギリス人俳優です。ナイジェリア人とノルウェー人の両親というミックスルーツからくる、ミステリアスな瞳が印象的です。ハナ・ジョンの謎めいた存在感が、このドラマのタイトルであるストレンジャー(見知らぬ人)の不気味さを増長しています。
プライベートでは、ハナ・ジョンの父は法医学心理学者、母は元ファッションモデル、姉は医者、兄はミュージシャンだそうです。才能と美貌が爆発している一家ですね!
ハーラン・コーベンの作品だから面白くないはずがない!?
Netflixドラマ「ザ・ストレンジャー」は、アメリカのミステリー作家ハーラン・コーベンの小説が原作です。
ハーランは、2018年にNetflixと5年間の独占契約を締結しています。この契約でハーランは、自分の作品の映像化と、それら全てのプロジェクトで製作総指揮をつとめることに合意しています。ザ・ストレンジャーも、この契約のプロジェクトの1つで、ハーランが製作総指揮をつとめています。
日本では、原作者が制作に関わらせてもらえず、原作と程遠い作品ができあがり揉めたケースがありましたよね⋯ハーラン作品の場合、そういったことはなさそうですね。
ハーランとNetflixの契約は、2022年にさらに4年間延長されています。今後もコーランの作品が次々と制作されるのが、楽しみです!
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