ラザロ(LAZARUS)|なぜ“つまらない”と酷評?バナナフィッシュのキャラデザの功罪とスキナー考察

空前のスタッフ陣――渡辺信一郎×MAPPA、アクション監督に「ジョン・ウィック」のチャド・スタエルスキ、キャラデザインには「BANANA FISH」の林明美。

そして、ミステリーファンとしては、ハプナをめぐるスキナーの意図という謎解きが楽しめるアニメ「LAZARUS(ラザロ)」。

もはや期待しかないはずなのに、「あれ?つまらない」「既視感がすごい」という視聴者の声が多く聞かれました。

本記事では、ラザロ(LAZARUS)が“つまらない”と言われる理由と「BANANA FISH」ゆずりのキャラデザの功罪についてご紹介します。

ラザロが“つまらない”と酷評される3つのワケ

期待度MAXの「LAZARUS(ラザロ)」ですが、放送開始直後からSNSやレビューサイトでは「つまらない」「話が頭に入ってこない」と酷評が目立ちました。

なぜそんな評価に?

ここでは、実際に視聴して感じた“引っかかりポイント”を整理しつつ、多くの視聴者が抱いた「つまらなさ」の理由を3つ、掘り下げていきます。

欲張りすぎて中途半端

皮肉なことに、豪華なスタッフ陣がそれぞれの才能を爆発させた結果、見どころの渋滞が発生した模様。

まず、音楽。

それから、アクション。

ミステリー要素として、スキナーの謎。

アクセルなどの、個性的なキャラクターの物語。

どれもこれも詰め込みすぎて、すべてが中途半端になってしまった印象です。

例えば、キャラクターのストーリーに関しては、ラザロのメンバーにはそれぞれに意味深なバックグラウンドがあります。でも、どれもこれもご挨拶程度に触れられるだけなので感情移入のしようがないのです。クリスティンがロシアのスパイだったとか、エレイナが宗教2世だとか、リーランドが貴族の妾の子だとか。

どれか1つでアニメを作れちゃうほどの情報量です。それに、そもそも、あと数日で人類が滅亡するっていうのに、何を悠長に人生を振り返っているのやらともモヤモヤします(笑)

スキナーもまた、謎めいた動きをしているわりに、イマイチ話題にされる尺が足りず、ぶつ切りの情報しかない。そのため、視聴者としても興味が湧かないのです。

なぜ、こういうことになるのかというと、人物に感情移入をしようかな、と思うと画面が切り替わり、音楽やらアクションやらが始まってしまうから。

音楽はかっこよく、パルクールもすごいけれど、とにかくスキルが渋滞しすぎなアニメなのです。

ストーリーが陳腐で既視感がある

肝心のストーリーも、既視感があります。

舞台は2052年の近未来。当初はまともだったはずのスキナー博士がマッドサイエンティストになり、それに立ち向かう正義の特殊部隊。特殊部隊は、個性豊かな面々。ビジュアル重視の戦闘シーン。異常に運動能力の高い主人公。スキナー博士の真の意図とは?アクセルたちは人類を救えるのか?

「どこかで見たことがある」

そう思いませんか?

個性を欠くストーリーが、つまらないと酷評される理由の1つとなっています。

動と静の描写が噛み合わない

ラザロは、画面の切り替え、カメラワークがかっこよく、パルクールシーンなどの動きのあるシーンに多くの尺が割かれています。

まるでミュージックビデオかCMのよう!

でも、そのせいで、物語に没入することが困難になっています。

言い換えると、動きのあるシーン、と、建物内でキャラクターたちが会話しているだけのシーン(静的なシーン)のギャップが大きすぎるのです。しかも、動的シーンがやたらと長い!動的シーンを見せられているあいだは、視聴者は「かっこいい」としか感じていません。ストーリーと、かけ離れたかっこいいシーンをたびたび見させられている気分。

かっこいい音楽やアクションシーンを短くするのがもったいないという気持ちはわかります。でも、肝心なストーリーへの没入を邪魔してしまっては元も子もないと感じました。

 

ラザロ|BANANA FISHと同一キャラデザの功罪

キャラクターデザインとは、アニメに登場するキャラクターの見た目や雰囲気を考える仕事です。キャラのビジュアルをゼロから考えるという、重要な役目。

ラザロ(LAZARUS)では、「BANANA FISH」と同一の林明美氏がキャラデザを担当していることの功罪が話題になっています。

“美しさ”が作品の格を底上げ

まずは、林明美氏がキャラデザを担当していることの”功”のほうから。

林明美氏といえば、「坂道のアポロン」や「BANANA FISH」が代表作ですね。どちらの作品も、キャラクタービジュアルの美しさ・安定感がずば抜けています。

ラザロでも、同様の美しさと安定感が楽しめます。ラザロの作品としての格を底上げしているのは、キャラデザに帰するところが大きいと言えるでしょう。

BANANA FISHの影が強すぎる?二番煎じ論争

次は、林明美氏がキャラデザを担当していることの”罪”のほうから。

「BANANA FISH」を見たことがある人なら、ラザロを見てすぐに既視感に襲われたはず。

筆者も、「BANANA FISH」のアニメの大ファンなので、ラザロを見たときは久々にアッシュ・リンクスを思い出して興奮しました。

でも、逆に、似すぎているという点がひっかかるという声があがっています。

「BANANA FISH」が名作だっただけに、「BANANA FISH」がちらついてしまうことで、「LAZARUS(ラザロ)」が二番煎じに見えてしまうのです。

アッシュとエイジの子供説まで!

SNSでは、「LAZARUS(ラザロ)」のアクセルが「BANANA FISH」のアッシュに似ているという議論が盛り上がっています。
アクセルとアッシュの画像を並べて比較する祭りまで発生する事態です。

視聴者の中には、アクセルが「アッシュとエイジの子ども説」を唱える人まで出ています。
いや、アッシュは1980年代、アクセルは2052年だから、年齢的には孫ですね。

 

ラザロ|ハプナ騒動とは?

ミステリーファンとしては、ラザロを見る楽しみは、スキナー博士がしかけた”ハプナ”騒動の謎解きです。

ハプナ騒動とは、何なのか?

ノーベル賞を3度取得した天才脳神経学博士・スキナーが開発した”奇跡の薬”がハプナです。あらゆる痛みに対して鎮痛効果があり、副作用がないハプナは、世界中に広まっていました。

ところが、スキナー博士は突然失踪してしまいます。

その3年後、スキナーが突然声明を発表します。

ハプナは服用から3年間は副作用がないが、その後は服用者を死に至らしめるように作られている。人類を救うワクチンが欲しければ、あと30日以内に、私を探し出せ。

アクセルたちラザロチームは、果たして、スキナーを見つけ出し人類を救うことはできるのか?

 

ラザロ|【ミステリー】スキナーはどこに?

世界中の諜報機関が探しているはずなのに、なかなかみつからないのがスキナー。一体スキナーはどこにいるのか?SNS上では様々な考察が盛り上がっています。

  • 第3話のホームレスキャンプにいた盲目と思しき老人が「スキナーっぽい」と話題に。ファンの間では、シェルターで人助けしていた彼が実は博士自身では、との深読みも。弱者に目を向けない政府を皮肉っているのかもしれません。
  • スキナーの実在に疑問を持つ声もあります。スキナーはすでに死んでおり、映像の彼はAI生成か録画データではないかという説です。3年間の空白期間を考えると、確かに一理ありますね。
  • ラザロのメンバーの1人がスキナーだという説もあります。確かに、10話で明らかになったのは、アクセルがハプナの抗体を持っているということでした。これは、アクセルの特異体質なのか、あるいは、アクセル自身がワクチンなのか?

以下、個人的な考察を述べます。(2025年6月時点)

スキナーはもう死んでいる。3年前、不治の病による余命を知ったスキナーは、自分の脳みそをAI化して人類のために残そうとした。スキナーはノーベル賞を3回受賞するほどの大天才なので、スキナーの死後AIもレベル違いの発達を見せ、今回の騒動を独自に起こした。AIは、スキナーの政治的思想も引き継いでいるので、環境を破壊し続け痛みから逃れようとする人類を淘汰しようとしているのだ。痛みから逃げなかった人(ハプナを飲まなかった人)や、アクセルのような特異体質の人(新人類)だけを残し、残りの人類を破滅させようというのがAIの意図なのだ。

いやー、書いていて、残り3話に収めるには壮大過ぎて無理があるなあと我ながら思いました。

みなさんは、この謎、どう考えましたか?

 

 

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