アルプス殺人事件憲兵エミリーの捜査録が面白かった!|感想とロケ地情報&あらすじ

フランスで初回放送時に約460万人が視聴した注目作『アルプス殺人事件 憲兵エミリーの捜査録(原題:Piste Noire)』。

「雪国ミステリーはもう見飽きた」と思っていた方こそ、ぜひ一度見てほしいドラマです。なぜなら、この作品は“映像・社会性・サスペンス”すべてにおいて、期待を超える出来栄えだからです。

本記事では、筆者が実際に視聴して感じた感想(ネタバレあり)、ドラマの舞台となったロケ地情報、そしてストーリーのあらすじを詳しくご紹介します。

殺人事件憲兵エミリーの捜査録感想|“期待してなかったのに面白すぎた”ミステリー(ネタバレあり)

正直に言って、邦題のダサさと「また雪山で殺人?」という先入観で、あまり期待せずに見始めました。

でも──結果、全6話を一気見!

「これは良作」と自信を持っておすすめできます。

映像美に圧倒される

「アルプス殺人事件憲兵エミリーの捜査録」を見て驚かされたのは、圧倒的に美しい映像美です。雄大なアルプスが舞台だから美しくて当然なのですが、それ以上に、随所にこだわりが見られる映像が映画並みで圧巻です。

第1話冒頭のスキー選手ボリスの心理描写では、カットがリズミカルに切り替わり、視聴者も息を呑む緊張感を味わえます。

さらに第2話では、スキーリゾート開発に反対するデモのシーン。発煙筒の赤と吐く白い息が交差し、美しさと怒りが共存する絵に。プロテストでさえアートに昇華されているのがフランスらしいです。

社会問題も鋭く描く

このドラマが面白いのは、単なる「殺人ミステリー」にとどまらず、現代フランスの社会問題を鋭くえぐっているところです。

  • 格差社会:富裕層とトレーラー暮らしの労働者の対比
  • 環境破壊:スキーリゾート開発と自然保護の対立
  • ジェンダー・家族:同性婚・共同親権のリアルな描写
  • 薬物問題:スター選手の裏の顔

これらが“説教臭く”ならず、物語にうまく織り込まれているのが秀逸です。

父親キャラにブチギレた視聴者続出!?

主人公エミリーの父親は、地元の製材会社を営む頑固な男。過去に娘がレズビアンであることを知り、追い出した過去を持ちます。

保守的で暴力的で、最後には息子を誤って射殺するという衝撃の結末まで──。

視聴後にSNSで「#エミリーの父最低」「あれは絶対許せない」と怒りの声が多かったのも納得です。

アルプス殺人事件憲兵エミリーの捜査録|ロケ地は“モルジヌ=アヴォリアス”の絶景

アルプス殺人事件憲兵エミリーの捜査録は、架空のスキーリゾートクレリー村が舞台ですが、実際にドラマが撮影されたロケ地は、フランス・オートサヴォワ地方のモルジヌ=アヴォリアスキー場。スイスとフランスにまたがる巨大スキーリゾートの一角で、モンブランとレマン湖の間にあります。

第4話で、エミリーとアレクシスが気晴らしのためにゲレンデを滑走するシーンがあるのですが、最高に美しいです!山々が連なり、多くのゲレンデがあることが見て取れるシーンですので、ぜひチェックしてみてください。もしスキー上級者なら、一生に一度は行ってみたいところですね。

アルプス殺人事件憲兵エミリーの捜査録の撮影には、モルジヌ村から約500人のエキストラが参加したそうです。(出典:Le Dauphiné Libéré 2023年2月掲載記事)

あらすじ(ネタバレあり)|壮大な雪山に隠された闇

「興味はあるけど、6話も見る時間がない……」という方へ、主要なあらすじを以下にご紹介します。

祝賀パーティーの裏で起きた惨劇

スキー選手ボリスの活躍を祝うパーティーの夜、山腹のトレーラーが炎上。中からは焼死体が発見されます。被害者は、季節労働者エムリ。彼は開発反対派と関わっていた人物でした。

主人公エミリーは、国家憲兵としてリヨンから応援に呼ばれ、因縁の地クレリー村に帰還します。

村を揺るがす「クレリー3000」開発

事件の裏には、スキーリゾート拡張プロジェクト「クレリー3000」を巡る推進派と反対派の激しい対立がありました。

推進派:村長、ホテル経営者シャーロット、不動産会社、ロシア人投資家など

反対派:インフルエンサーで山岳ガイドのアレクシス

抗議活動は過激化し、SNSと実地行動で世論を動かすアレクシスは注目の的に。

犯人は誰?連鎖する殺人

違法薬物、企業の不正、開発利権……

複数の事件が連鎖的に起き、村のあらゆる層が関与していきます。犯人は一人ではなく、共犯、隠蔽、脅迫が複雑に絡み合います。

最終的には、

  • 出資者タチアナが複数の殺人に関与
  • トレーラー放火はボリスの妻シャーロット
  • 村長は橋から転落死
  • エミリーの父親は暴走し、息子を誤射

という衝撃の結末を迎えます。

“クレリー3000”の終焉と希望の光

不正の証拠が次々と明るみに出て、プロジェクトは白紙に。抗議活動が勝利を収めた形で物語は終わります。

しかし、痛ましい犠牲の上に成り立ったその勝利が、本当に正しかったのか──。余韻が残るラストです。

まとめ|『アルプス殺人事件 憲兵エミリーの捜査録』はこんな人におすすめ!

  • 映像美にこだわる本格派
  • 社会派サスペンスが好き
  • 北欧ミステリーが好きだけど、次の作品を探している
  • スキーやフランス文化に興味がある

ミステリーファンにとって、2024〜2025年の「隠れた傑作」と言える一本です。

 

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