グランパは新米スパイ シーズン2ネタバレ&感想:大学での騒動と家族、そして第2の人生

ドラマ「グランパは新米スパイ」のワンシーン。テッド・ダンソンが共演者と向かい合って座っている。 作品・考察

待望の「グランパは新米スパイ」(原題:A Man on the Inside)シーズン2が、2025年11月にNetflixで配信スタートしました!

前シーズンで探偵としてすっかり板についたチャールズおじいちゃん。今シーズンは、その探偵ぶりにさらに磨きがかかり、コメディ色もよりスタイリッシュに進化しています。

肩の力を抜いて笑いながら観られるのに、物語としての満足度も高く、Netflixオリジナルドラマの中でも唯一無二の存在感を放っている本シリーズ。

今回のシーズン2では、チャールズを演じるテッド・ダンソンの“劇中の恋人ポジ”で登場する女優さん、実はプライベートではテッドの奥さんだそうで、制作側の遊び心を感じますね。

この記事では、「グランパは新米スパイ」シーズン2のあらすじをネタバレありでご紹介します!

シーズン2あらすじ:ジューシーな案件

浮気調査ばかりの地味な案件が続き、少々退屈していたおじいちゃん探偵、チャールズ・ニューウェンダイク(演:テッド・ダンソン)。

そんな彼のもとに、ウィーラー大学のベリンジャー学長と学部長(provost )のホーリーが慌てふためきながら飛び込んできます。
「4億ドルの価値があるPCが盗まれたんです!」という、とんでもない相談。

話を聞くと──
学長は、ブラッド・ヴィニックというウィーラー大学出身の大富豪から、4億ドルもの寄付の約束を取り付けたばかり。ところが、その直後に学長のPCが盗まれてしまい、窃盗犯からは「スキャンダルを暴露する」と脅迫されているというのです。スキャンダルが表沙汰になれば、当然寄付の話も白紙。学長は青ざめるしかありません。

「ジューシーな(そそる)案件」を待ちわびていたチャールズの目がキラリ。
「これは内部の犯行に違いない。UnderCover(潜入捜査)しかないな!」
ということで、おじいちゃん探偵による大学潜入ミッションがスタートします。

大学への潜入捜査開始!

よく考えると、チャールズは元大学教授。学内でうろついていても違和感ゼロという、これ以上ないくらいの“適材適所”な潜入先です。

今回の舞台となるのは、予算不足に悩まされているウィーラー大学。設備は全体的に古く、防犯カメラも最新式とは程遠いレベル。入室記録の管理もガタガタで、デジタルでの追跡も思うようにできません。
しかしそれこそ、アナログな手腕と勘を武器にするおじいちゃんスパイ・チャールズにはぴったりの環境。最新ガジェットよりも“人を見る目”がものを言う状況なのです。

さっそく学内の職員たちを洗い出していくチャールズ。依頼に来た学長と、学部長のホーリーに加え、以下のようなクセの強い面々が登場します。

  • アンドレア・イー:経済学教授
  • マックス・グリフィン:ジャーナリズム担当
  • スラヴァイ・ティシャビリ:言語学
  • ヤルコ・ホヴィネン:記号学
  • ベンジャミン・コール:英文学
  • モナ・マーガドフ:音楽理論
  • エリザベス・ムーキー:美術学科長
  • クレア:苦学生

この中でも、注目は、モナです。チャールズと同世代の74歳なんですが、年齢を感じさせないかわいらしさと自由奔放な性格でとても魅力的。出会って早々、チャールズとの間にいい雰囲気が流れます。やたらと登場シーンが多いことからも、シーズン2の重要人物であることがひしひしと伝わってきます。

第二の事件:絵画炎上事件

そんな中、大学ではブラッド・ヴィニックを「最優秀卒業生」として表彰するパーティーが開催されることに。
超リッチな大富豪ヴィニックの“今どきな若い妻”ケルシーも同行します。

このケルシーが、しゃべり方も表情も、すべてがギャグとして成立してしまうおバカなレベルで最高です。まさに、アメリカンコメディの王道キャラですね。女優魂を感じます。

華やかなパーティーの最中にとんでもない事件が発生。
会場に飾られていたヴィニックの立派な肖像画が、突然燃やされてしまうのです。現場には、犯人からの手書きのメモが一枚だけ残されていました。

さらに追い打ちをかけるように、学長のPCから盗まれたと思われる内部情報が、学内新聞に次々と掲載されていきます。
「学長は自分の懐だけ肥やしている」「その一方で、学生や研究にとって命綱である助成金を廃止した」など、大学のトップを非難する記事が続出。
それをきっかけに学生たちは怒りを爆発させ、学長への抗議活動がどんどん過激になっていきます。

PC窃盗、肖像画炎上、スキャンダル暴露──すべてが連動しているようで、謎は深まる一方。チャールズの捜査も一筋縄ではいかなくなっていきます。

感謝祭で登場人物オールスター集合!

そんな混乱続きの中でも、カレンダーは進み、アメリカらしく「感謝祭」がやってきます。舞台はチャールズの自宅。
ここでほぼ主要キャラが全員集合する、にぎやかなエピソードが挟まれます。

出席者は、チャールズとモナに加え、チャールズの娘エミリー一家、探偵事務所のメンバーとその家族、そしてシーズン1の舞台となった老人ホーム「パシフィック・ビュー」の施設長ディディやチャールズの親友カルバートまで。画面からあふれんばかりの“顔なじみ”たちが一同に会し、視聴者としても「おお、勢ぞろい!」とうれしくなってしまう構成です。

世代も価値観もバラバラな面々が集まれば、当然ちょっとした言い合いやトラブルも起こります。それでも、最終的には「大切な人たちと食卓を囲めること」のありがたみがじんわりと伝わってくる、温かい感謝祭に。
チャールズが探偵という第二の人生をちゃんと歩み始め、その中で新しい“家族のような存在”を築きつつあることを実感させてくれる、とても印象的なエピソードになっています。

サイドストーリーとして、探偵業のボス・ジュリーが長年の母親との確執を乗り越えていく勇気ある姿も、実にアメリカ的で心を打ちます。

【ネタバレ注意】結局、犯人は誰なのか?

チャールズたちは「犯人は大学内部の人間だろう」と当たりをつけて捜査を続けてきました。ところが、怪しく見える人物が次々と現れては、決定打に欠けるまま疑いだけが宙ぶらりんになっていくという、ミステリーらしい展開に。

そこで視点を一度外に向けてみることに。
目をつけたのは、ヴィニックの妻・ケルシーです。彼女は、「ヴィニックが大学のオーロラっていう女と浮気している」と発言をします。

ケルシーの持つGPS情報を頼りに、ヴィニックと一緒にいた“謎の人物(浮気相手?)”を追いかけていくと、行き着いた先は──なんと経済学教授のアンドレア・イー。

「アンドレアが“オーロラ”なのか?」と思いきや、アンドレアはこう言い切ります。
「オーロラは、人の名前じゃないわ」

彼女の口から語られたのは、「オーロラ計画」と呼ばれるウィーラー大学再編計画の存在でした。

その計画とは──
ヴィニックが中心となり、経済学やコンピューターサイエンスなど“利益を生む学問”だけを残し、人文学系の学部をすべて廃止してしまおうという、かなり極端なリストラ案。
つまり、文学や音楽、美術など、人文系の先生たちにとっては「仕事も居場所も奪われる」死活問題なのです。
そうなると、その計画で不利益を被る教職員のほぼ全員に、犯行の動機が生まれてしまうことになります。

さまざまな思惑が交錯する中、最終的に罪を認めたのは、英文学のベンジャミン・コール教授。大学と文学を心から愛し、学生への情熱も人一倍強い人物であるだけに、「オーロラ計画」への怒りと絶望は人一倍だったはず。動機としては文句なしです。
コール教授は大学を去り、事件はひとまず「解決」という形で幕を閉じたかに見えます。

しかし、ここで終わらないのがチャールズ。
彼はすでに“真犯人”が別にいることを見抜いていました。コール教授の自白は、誰かをかばうための“身代わり”だったのです。

本当の黒幕は、「オーロラ計画」の話をたまたま耳にしてしまった学部長ホーリーでした。やがて彼女の計画に賛同したほかの教授たちも次々と協力者として加わっていきます。
すべての真実を見抜きながらも、チャールズはそれぞれの事情を静かに飲み込み、物語はどこかほろ苦さを残しつつも、大団円へと幕を閉じていきます。

「グランパは新米スパイ」シーズン2感想

シーズン1よりもテンポが軽快で、コメディ要素がぐっと前面に出ているので、本当にリズムよくサクサク見進められました。それでいて、「長い人生をどう生きるか」「年齢を重ねたあとに何を選び、誰と時間を過ごすのか」という深いテーマもしっかりと描かれていて、ただ笑って終わりではない余韻が残るのが魅力です。

資金繰りに苦労している大学。資本主義や合理主義が学問の場をも飲み込もうとしているというストーリーも非常に時事的で、考えさせるものでした。

そして、関心するのが、主演のテッド・ダンソン魅力。グランパと呼ぶにはかっこよすぎるテッド・ダンソンですが、シーズン2はちょっと恋愛要素もあってますますチャーミングです。

渋くてかわいくて、おじいちゃんと呼ぶにはスタイルが良すぎる俳優さん…日本でリメイクするなら、絶対に舘ひろしさんだなーなんて思いながら見ていました。

驚いたのは第6話での体当たりシーン。電動スクーターに乗って池にドボン!と落ちるシーンがあるのですが、「いやいや、この人80手前のおじいちゃんだよね?」と思わず巻き戻して見ちゃいました。

おじいちゃんがスパイとして、探偵として、そして一人の人間として、人生の“第2ラウンド”をどう戦うのか。ユーモアたっぷりで描きながらも、どこか胸がきゅっとなるようなシーンも散りばめられていて、シーズン1が好きだった人にはもちろん、「軽めのアメリカドラマが観たいな」という人にもおすすめしたいシーズンです。

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